こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。
今回は、ストレスと栄養不足が交錯する女性に多い体質へのケアについて、漢方でできるアプローチをご紹介します。
【こんなことはありませんか?】
・気分の浮き沈みが激しく、イライラ・落ち込みが繰り返される
・ため息やゲップが多く、お腹や胸が張りやすい
・生理前に情緒不安定になる(PMS)
・肌や髪が乾燥しやすく、ツヤがない
・めまい・立ちくらみ・動悸がある
・夜に不安感が強くなり、眠れないことがある
こうした症状に心当たりのある方は、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と「血虚(けっきょ)」が合わさった、ストレスと血の不足が絡み合うタイプかもしれません。
【“肝気鬱結 × 血虚”ってどういう体質?】
「肝気鬱結」は、ストレスや感情の抑圧により、気の流れが滞る状態。
「血虚」は、体の栄養や潤いが不足している状態。
このタイプでは、ストレスで気が滞り、さらに血が不足して心身が安定しにくいという悪循環が起こりやすくなります。
特に月経や更年期の影響を受けやすい女性に多く見られる体質です。
【よくある症状・傾向】
- イライラ・落ち込み・不安感・情緒の不安定
- 生理前のPMSが強い・経血量が少ない・周期が乱れやすい
- 顔色が青白く、唇が乾きがち
- 髪のパサつき、爪が割れやすい
- めまい・疲れ目・集中力の低下
- 夜になると気分が沈む・眠りが浅い・夢が多い
【漢方的アプローチと処方の考え方】
このタイプには、「気を巡らせ、血を補う」ことが基本となります。
まずは気の詰まりをやさしくほどき、その上で血をしっかり養う処方を考えます。
🔸 代表的な処方
- 逍遥散(しょうようさん):ストレスによる肝気鬱結+血虚の代表処方
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):肝火が強めな場合、イライラ・のぼせ・不眠を伴う人に
- 帰脾湯(きひとう):血虚による不安・不眠・疲労感に対応。心身の安定に
🌿セルフケアのポイント
POINT ✅ 気分を穏やかに保てる「静かな時間」を毎日に
→ 朝の深呼吸・日光浴・読書・温かいお茶など、小さな“心の余白”を大切に。
✅ 血を養う食材を積極的にとる
→ なつめ、レバー、黒豆、にんじん、小松菜、卵、ほうれん草、くこの実など。
✅ 感情をため込まないことが最大の予防法
→ 無理に我慢せず、話す・書く・泣くなどで“流す”ことを意識して。
✅ 生理前~生理中はとにかく“休む”ことを優先
→ この時期は特に気血の乱れが出やすいので、予定を詰めすぎないこと。
【このタイプのあなたへ、ひとこと】
「心も体もすぐに疲れる」
「自分の感情がうまく扱えない」
そんなとき、どうか自分を責めずにいてください。
このタイプは、とても繊細で真面目な人がなりやすい体質です。
頑張りすぎて気が詰まり、血が足りなくなっているだけ。
まずは、気を巡らせ、血を養う“余白の時間”を少しでも持ってみてください。
あなたの中に、本来の穏やかさがきっと戻ってきます🌿
これで複合タイプシリーズの基本5タイプは完結です✨
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