【こんなお悩みはありませんか?】
・食欲がわかない、胃がもたれる
・食後に眠くなる、だるくなる
・下痢や軟便になりやすい
・疲れやすく、やる気が出ない
・むくみやすい、体が重たい感じがする
これらの不調、漢方では「脾(ひ)」の弱りと関係していると考えます。
“胃腸”のことだと思われがちですが、中医学の「脾」はもっと幅広い役割を担っています。
【“脾”とはどんな働きをする臓腑?】
中医学において「脾(ひ)」は、胃とともに働き、
食べたものを消化・吸収し、体を動かすための「気・血・水」をつくり出す中枢的な存在です。
主な役割は:
- 飲食物から「気」「血」「津液(体の潤い)」を作る
- 作ったエネルギーを全身に送り届ける
- “持ち上げる力”があり、内臓や血の流れを保つ
脾がしっかり働いていれば、元気が湧き、胃腸が快調で、心も前向きになりやすくなります。
【“脾”が弱ると、どんな症状が?】
- 食欲不振・胃もたれ・消化不良
- 疲れやすい・だるい・やる気が出ない
- 下痢・軟便・お腹の冷え
- 顔や手足のむくみ
- 生理の量が少ない、または長引く出血(脾不統血)
これらの症状は、**「脾気虚(ひききょ)」や「脾虚湿困(ひきょしつこん)」**といった状態としてあらわれます。
【脾タイプ別・漢方的アプローチ】
🔹 エネルギー不足タイプ(脾気虚)
・食欲がない、疲れやすい、息切れ、軟便
→ 胃腸を元気にして、エネルギーを生み出す(例:六君子湯、補中益気湯)
🔹 湿気で胃腸が重だるいタイプ(脾虚湿困)
・体が重い、むくみ、食後の眠気、舌に白い苔
→ 湿を取り除いて脾の働きを整える(例:平胃散、苓桂朮甘湯)
🔹 ストレスや緊張が胃腸に影響しているタイプ(肝胃不和)
・食後にお腹が張る、ゲップ、胃のムカムカ、便秘と下痢を繰り返す
→ 「肝」の緊張が「胃腸」に影響している状態。肝と脾胃のバランスを整えることで、ストレスによる胃の不調を和らげます(例:半夏瀉心湯、香蘇散)
🌿【タイプ分けについてのご案内】🌿
ここでご紹介したタイプは、あくまで目安となるもので、実際には「ぴったりこのタイプ!」という方もいれば、いくつかのタイプが重なっている方も少なくありません。
その場合は、状態に合わせて、
- 複数のタイプに対応する処方を組み合わせたり
- あえて一つのタイプに照準を絞って処方を決めたり
と、柔軟に調整していきます。
💬「自分はどれに当てはまるんだろう?」と迷った場合も、どうぞご安心ください。
診察では、丁寧にお話を伺いながら、あなたにぴったりの方法をご提案します。
【“脾”を整えるための養生のヒント】
✅ 冷たいもの・生ものを控える
→ 脾は「冷え」に弱いため、温かい食事を基本に。
✅ ゆっくり噛んで、落ち着いて食べる
→ 消化のためだけでなく、精神面でも脾にやさしい習慣です。
✅ 甘いもの・脂っこいものは控えめに
→ 余分な“湿”を生み出しやすく、脾の働きを妨げます。
✅ 軽めの運動で“気”を巡らせる
→ 散歩やストレッチでも、胃腸の働きが活発になります。
【“脾”が整えば、体の元気の“芯”が整う】
食事からしっかりとエネルギーを作り出せる体になることは、日々の元気の源。
脾の働きを意識してケアすることで、「なんとなくしんどい」「体が重い」といった状態が自然と改善されていきます。
次回は「肺(はい)の養生:呼吸・免疫・バリア力を高めるケア」をお届けします🍃
引き続きお楽しみに!😊
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