こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。
今回は、体の巡りについて、漢方でできるアプローチをご紹介します。
【こんなことはありませんか?】
・気分がすぐに落ち込んだり、イライラしやすい
・ため息やゲップがよく出る
・肩こりや頭痛、腰の重さが慢性的
・お腹や胸が張って、スッキリしない
・月経痛や経血に塊が多い、生理が不規則
・肌がくすんでいる、目の下にクマがある
これらの症状が重なる方は、「気滞(きたい)」と「瘀血(おけつ)」が合わさった、巡りの悪さが重なっているタイプかもしれません。
【“気滞×瘀血”ってどういう体質?】
「気」は体をめぐるエネルギー、「血」は栄養や潤い。
そのどちらも「流れが悪く、詰まりやすくなっている」のがこの複合タイプです。
ストレスや感情の抑圧が「気滞」を生み、そこから「瘀血」へとつながるケースが多く見られます。
特に女性はホルモンの影響も重なり、PMSや月経トラブルとして表れやすいのも特徴です。
【よくある症状・傾向】
- 頭痛・肩こり・慢性的な張り感
- 気分のムラ・イライラ・落ち込みやすさ
- 月経痛・生理不順・塊・出血量の増減
- 顔色のくすみ・唇の色が暗い・舌の裏の血管が紫っぽい
- 冷えとほてりが交互に出るような不安定感
- 深呼吸したくなる・呼吸が浅いと感じる
【漢方的アプローチと処方の考え方】
このタイプでは「巡らせること」が第一の養生です。
気の流れを整えてから、血の滞りを動かすことで、体も心も軽くなります。
🔸 代表的な処方
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):気の巡り+少しの熱を鎮め、PMS・不眠・イライラに
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):瘀血による月経痛や肌トラブルに
- 血府逐瘀湯(けっぷちくおとう):頭痛・肩こり・慢性痛に伴う瘀血体質に
🌿セルフケアのポイント
POINT ✅ 「香りのある食材」やハーブで気の巡りを促進
→ しそ、みょうが、陳皮、ミント、柑橘系、ラベンダーなどを日常に
✅ 適度な運動で「詰まり」を動かす
→ ウォーキング・軽めのストレッチ・深呼吸を伴う運動がおすすめ
✅ イライラや悲しみなどの感情を“詰め込まない”
→ 話す・書く・泣く・笑うなど、自然な感情の発散を大切に
✅ お風呂や足湯で巡りを助ける
→ 特に下腹部や下半身を温めることで瘀血の改善に◎
【このタイプのあなたへ、ひとこと】
「なんだかモヤモヤする」
「スッキリしない」
「ずっと何かが引っかかっている」
――そんな日々が続いていませんか?
このタイプは、体にも心にも“風通し”が必要な状態。
気も血も、詰まりがあるからこそ、流れる道を整えることが大切です。
まずは、深呼吸して、ひとつ息を抜いてみましょう。
あなたの中の巡りが整えば、また自然と軽やかな日常が戻ってくるはずです🌬
次回は、
「第3回|陰虚 × 肝火上炎タイプ:潤い不足からくる“のぼせや不眠”を静めるケア」 をお届けします。
どうぞお楽しみに😊
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