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季節の養生と漢方ケア

❄️【季節の養生と漢方ケア】冬編|冷え・腰痛・頻尿など“腎”を支える養生と漢方ケア

大沢

こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。
今回は、冬の冷えによる腰痛や頻尿などのお悩みを感じている方に向けて
漢方でできるアプローチをご紹介します。

【寒くなると増えてくる、こんなお悩み】

・手足や腰が冷えてつらい
・朝起きるのが億劫、疲れが抜けにくい
・頻尿や夜間のトイレが増える
・腰痛・関節痛が悪化する
・気力が出ず、なんとなく気分も沈みがち

冬は、気温の低下に伴い、体の内側の「冷え」や「弱り」が表に出やすい季節です。
漢方では、冬は「腎(じん)」が主役になる季節とされており、腎のエネルギーが充実していると、寒さにも負けず元気に過ごせると考えます。

【中医学でみる“冬の不調”の原因】

冬の不調の背景には、以下のような漢方的な要因があります:

🔸 体を温める力(腎陽)が不足している
寒がり、むくみ、腰のだるさ、頻尿などが出やすい状態。

🔸 エネルギーそのものが消耗している(腎気虚)
元気が出ない、疲れが取れない、免疫力の低下も見られます。

🔸 冷えによって気血の巡りが滞る(寒邪+血瘀)
肩こり・関節痛・月経痛など、冷えが症状を悪化させます。

「腎」は、生命力の源であり、成長・老化・生殖・ホルモンバランス・骨や耳・排尿などに深く関係する大切な機能。
冬の間に腎をしっかり養うことが、1年を元気に過ごす“土台づくり”になります。

【冬の体質別・漢方的アプローチ】

🔹 体を温める力が足りないタイプ(腎陽虚)
・寒がり、冷え性、足腰のだるさ、夜間頻尿
→ 腎を温め、体を内側から元気にする処方(例:八味地黄丸、真武湯、牛車腎気丸)

🔹 エネルギーの源が不足しているタイプ(腎気虚)
・慢性的な疲労感、記憶力の低下、免疫力の低下
→ 腎の力を補い、活力を底上げする(例:六味地黄丸、補中益気湯)

🔹 冷えで巡りが悪くなっているタイプ(寒凝血瘀)
・腰や関節の痛み、手足のしびれ、冷えが原因の月経痛など
→ 冷えと血の滞りを改善(例:当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝茯苓丸)

【タイプ分けについてのご案内】

ここでご紹介したタイプは、あくまで目安となるもので、実際には「ぴったりこのタイプ!」という方もいれば、いくつかのタイプが重なっている方も少なくありません。

その場合は、状態に合わせて、

  • 複数のタイプに対応する処方を組み合わせたり
  • あえて一つのタイプに照準を絞って処方を決めたり

と、柔軟に調整していきます。

大沢

「自分はどれに当てはまるんだろう?」と迷った場合も、どうぞご安心ください。

診察では、丁寧にお話を伺いながら、あなたにぴったりの方法をご提案します。

【“腎”を養い、冷えに強くなる暮らし方】

POINT ✅ とにかく“首・腰・足元”を冷やさない
三首(首・手首・足首)+腰まわりを温めるだけでも巡りがよくなります。

✅ 黒い食材で腎をサポート
黒豆・黒ごま・昆布・ひじきなど、黒い色の食材は腎を助ける代表格。

✅ 早寝・遅起きでエネルギーを守る
冬は体を休める時期。睡眠をしっかりとることで腎の充実を助けます。

✅ 塩分と冷たい飲食のとりすぎに注意
塩分は腎に負担をかけ、冷たい飲み物は体をさらに冷やします。

【冬に“守る力”を高めて、春への準備を】

大沢

「この時期になると冷えてつらい」
「年末年始で疲れが溜まって抜けない」
そんな方は、腎の力が少し弱っているサインかもしれません。

漢方では、冬は「蔵(ぞう)」の季節=体の中にエネルギーを蓄える時期とされています。
今しっかり整えておくことで、春にスムーズなスタートが切れるのです。

ご自身の体質や不調に合わせたケアで、寒さに負けない体を一緒に作っていきましょう。

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