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体質別セルフケア

【体質別セルフケア③】顔色が悪くてフラフラしやすいあなたへ~血虚タイプの整え方~

大沢

こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。
「体質別セルフケアシリーズ」第3回は《血虚(けっきょ)》タイプです。

「最近、顔色が悪いって言われた…」
「立ちくらみが増えてきた」
「集中力が続かないし、眠りも浅い気がする」
そんな症状が気になる方は、《血虚体質》かもしれません。

漢方では、こうした状態を「血(けつ)が足りない=血虚」ととらえます。
この記事では、血虚体質の特徴と原因、日常でできるやさしいセルフケア方法をお伝えします。

◆血虚とは?~体と心を潤す「血」が不足している状態~

漢方でいう「血(けつ)」は、いわゆる血液の働きだけでなく、
体を滋養し、心を安定させる“栄養と潤い”のような存在です。

血虚とは、この「血」が足りていない、または質が低下している状態。
体のすみずみまで栄養が届かず、いろいろな不調が起こりやすくなります。

◆血虚タイプの主な特徴

次のような症状に心当たりはありませんか?

・顔色が青白い、くすんでいる
・髪がパサつく、抜け毛が気になる
・爪が割れやすい、色が薄い
・めまい、立ちくらみがある
・不眠、夢を多く見る、寝つきが悪い
・集中力が続かない、物忘れが増えた
・月経量が少ない、生理周期が遅れがち

「なんだか元気がない」状態とは少し違い、血虚では“栄養が足りていない”ような感覚が特徴です。

血虚の原因になりやすい生活習慣

血虚の原因は、以下のような習慣や体質に関係しています

食生活の偏り(鉄分・たんぱく質の不足、ダイエットのしすぎ)
睡眠不足や過労(血を補うための時間が不足)
月経過多や出産後などの失血
胃腸虚弱により栄養をうまく吸収できていない

「血を作る材料が足りない」または「作る力が弱い」という2つのパターンがあります。

今日からできる!血虚のセルフケア

血虚のセルフケアは、「血を養い、めぐらせる」こと。
日々の食事や生活の中で、少しずつ“血を育てる”習慣を取り入れていきましょう。

①血を養う食材を意識してとる

「血を補う(補血)」には、「血」の材料を増やす食材が役立ちます。

おすすめ食材

  • 黒ごま、黒豆、なつめ、くわのみ、松の実、落花生
  • レバー、赤身肉、鶏肉、豚肉、卵
  • ほうれん草、小松菜、にんじん、かぼちゃ、松茸、りゅうがん
  • 赤貝、あわび、うなぎ、いか、かき、かつお、かつお節、さば、なまこ、ひらめ、ぶり、まぐろなどの魚介類
  • ぶどう、ライチ

ただし、これらが良いからと言ってたくさん食べすぎると、胃腸に負担をかけて「血虚」を強めることにもなりかねません。少量ずつ日頃の食事で摂るように心がけましょう。

また逆に、無理なダイエットは、タンパク質や鉄分などの「血」の材料不足となり、「血虚」の原因になるので注意が必要です。

質の良い睡眠で「血」を育てる

血は、夜に作られ、体中に栄養として運ばれます。
とくに22時~2時は「血を養うゴールデンタイム」とされる時間帯。

  • 寝る1時間前からはスマホやテレビを控える
  • 部屋を暗く、静かに整える
  • ハーブティー(カモミールやラベンダー)などで気持ちを落ち着ける

「しっかり眠る」ことは、血虚体質の改善にとても重要です。

軽めの運動で血をめぐらせる

運動しすぎは禁物ですが、軽く体を動かすことで、血の巡りが良くなります。

  • 軽いストレッチ
  • 散歩やヨガなど呼吸を意識した運動
  • 入浴で体を温めるのも効果的

血を養いながら“よどませない”ことがポイントです。

④血を養い、体と心を潤す漢方薬の考え方

血虚体質では、体を養い、心を安定させる「血(けつ)」が不足している状態です。
中医学では「補血(ほけつ)」と呼ばれる働きのある処方を使って、血を増やし、全身に栄養を巡らせていきます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血を補う「当帰(とうき)」や「芍薬(しゃくやく)」に加え、水の巡りを整える生薬も配合されており、「血虚」に「水滞(水の滞り)」が合わさった体質に用いられます。
貧血気味で、冷えやむくみ、生理不順がある女性によく使われます。

帰脾湯(きひとう)

心と脾(胃腸)の両方を補うことで、血を増やしつつ、気持ちを安定させる処方です。
忙しさやストレス、心配ごとで心が疲れ、眠れない・物忘れが増えた・やる気が出ないという方に向いています。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

「気(エネルギー)」と「血(栄養)」の両方が不足している方に用いられます。
特に、病後・術後・出産後などで体力や免疫力が落ちているときに、体の根本的な回復を助けます。

どの薬も「血を養いながら、全身に巡らせる」という視点で組み立てられています。
体の内側からふっくらと潤いと元気を取り戻したい方におすすめです。

◆血虚タイプへのメッセージ

大沢

血虚の方は繊細でやさしい反面、自分を後回しにしがちな傾向もあります。
でも「誰かを大切にする」ためには、まず「自分を満たす」ことが大切です。

食べること
寝ること
休むこと
これらを“後回しにしない”暮らしが、あなたの血を育て、心も整えてくれます。

毎日の小さな積み重ねが、あなたの「元気の土台」になりますように。

次回は「血瘀(けつお)タイプ」についてご紹介します。
「肩こりや月経痛がつらい」「シミができやすい」などのお悩みがある方は、ぜひご覧ください。

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