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複合タイプシリーズ

【複合タイプシリーズ】第3回|陰虚 × 肝火上炎タイプ:潤い不足からくる“のぼせや不眠”を静めるケア

大沢

こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。

今回は、潤い不足からくる“のぼせや不眠”について漢方でできるアプローチをご紹介します。

【こんなことはありませんか?】

・顔が赤くなりやすく、のぼせることがある
・口が渇いて水をよく飲む、特に夜間に喉が渇く
・イライラしやすく、怒りっぽくなることがある
・夜中に目が覚めやすく、眠りが浅い
・目が乾きやすく、疲れ目・かすみ目がある
・めまい、耳鳴り、頭が熱っぽいような感覚がある

これらの症状が重なる方は、「陰虚(いんきょ)」に「肝火上炎(かんかじょうえん)」が加わった、潤い不足から熱がこみ上げるタイプかもしれません。

【“陰虚 × 肝火上炎”ってどういう体質?】

「陰虚」は体の潤いが足りず、冷静さや静けさを保てない状態。
そこに「肝火上炎」が重なると、潤い不足が原因で“余分な熱”が上半身にこもってくる”という状態になります。

特にストレスや怒りなどの感情が絡むと、熱が急に上がり、のぼせや不眠などの症状が強まる傾向があります。

【よくある症状・傾向】

  • 手のひら・足の裏が熱っぽい
  • 夜間の寝汗・ほてり・のぼせ
  • 怒りやすい・イライラしやすい・感情が爆発しがち
  • 目の充血・かすみ・乾き・チカチカ
  • 頭痛・耳鳴り・めまい・動悸
  • 不眠・寝つきが悪い・途中で目覚めてしまう

【漢方的アプローチと処方の考え方】

このタイプには、「潤す」と「鎮める」のバランスが大切です。
陰を補って土台を整えつつ、上に昇った“火”をしずめてあげることが養生の鍵となります。

🔸 代表的な処方

  • 知柏地黄丸(ちばくじおうがん):腎陰虚+ほてり・寝汗に
  • 天王補心丹(てんのうほしんたん):陰虚からくる心火を鎮め、不眠・イライラに
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):怒りっぽさ・不安・動悸・イライラなど「肝火」の亢進を整える

🌿セルフケアのポイント

POINT ✅ 体を「潤す」食材をとる+「冷ましすぎない」ように注意
→ 梨、百合根、山芋、豆腐、黒ごま、クコの実、麦門冬など
→ 体を冷やしすぎるもの(アイス・冷たい飲料)は逆に胃腸を傷めやすいため注意。

✅ “陰の時間”を大切にする生活リズムを
→ できれば22時~23時頃までに就寝を意識し、夜は静かに心を鎮める時間に。

✅ ストレス発散より、“熱を下げる”心のクールダウンを
→ 感情が爆発する前に深呼吸、アロマ、音楽、書くなどの静かな発散法を。

✅ スマホやPCの見過ぎに注意
→ 目の酷使は肝を傷め、火が上がりやすくなります。特に就寝前は控えめに。

【このタイプのあなたへ、ひとこと】

大沢

「なんだか落ち着かない」
「いつも頭が熱っぽい」
「寝つけない」
そんな状態が続くと、さらに焦ってしまいますよね。

このタイプに必要なのは、静けさ・潤い・ゆるやかな時間です。
熱くなった心と体に、やさしく涼しい風を送ってあげるような感覚で、
まずは、深呼吸ひとつからはじめてみてください🌿

次回は、
「第4回|陽虚 × 湿タイプ:冷えと重だるさがつきまとう内側の冷湿体質へのケア」 をお届けします。
どうぞお楽しみに😊

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