こんにちは。扇町漢方クリニックの院長、大沢です。
今回は、冷えと重だるさがつきまとう体質へのケアについて、漢方でできるアプローチをご紹介します。
【こんなことはありませんか?】
・とにかく下半身が冷える、布団の中でも足が冷たい
・朝起きてもスッキリせず、1日中だるさが続く
・胃腸が弱く、食後にお腹が張ったり、下痢しやすい
・むくみやすく、特に下半身に水分がたまりやすい
・頭が重い・体が重い・気分もなんとなく重い
・雨の日や梅雨時に体調が崩れやすい
これらの症状が重なる方は、「陽虚(ようきょ)」と「湿(しつ)」が合わさった、“冷えと水分代謝の停滞”タイプかもしれません。
【“陽虚 × 湿”ってどういう体質?】
「陽虚」は体を温めるエネルギーの不足、
「湿」は体に溜まった余分な水分の滞り。
このタイプは、体を温める力が弱いために、水分がうまく排出されず、体内に溜まってしまうという悪循環に陥りやすい状態です。
【よくある症状・傾向】
- 足腰の冷え、手足が氷のように冷たい
- 食欲不振・消化不良・下痢や軟便傾向
- むくみ・重だるさ・汗をかきにくい
- めまい・頭重感・集中力の低下
- 気分の落ち込み・やる気が出にくい
- 生理周期の乱れ、量が多い・長引く傾向も
【漢方的アプローチと処方の考え方】
このタイプには、「温めて動かす」+「余分な湿を出す」というダブルアプローチが必要です。
温陽+利水という漢方の基本コンセプトに沿って整えます。
🔸 代表的な処方
- 真武湯(しんぶとう):陽虚+水滞の代表処方。冷え・むくみ・下痢に
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう):寒さで悪化するむくみや腹部の冷えに
- 五苓散(ごれいさん):体の水はけをよくし、むくみやめまいに対応
🌿セルフケアのポイント
POINT ✅ 温かい飲食を中心に、冷たいもの・生ものは避ける
→ 白湯・スープ・煮込み料理などがベスト。冷えを内側から緩和します。
✅ 足元を徹底的に温める
→ 特に足首・腰・お腹を冷やさないこと。レッグウォーマーや腹巻もおすすめ。
✅ 軽くても“動かす”習慣を持つ
→ 湿は“停滞”で悪化します。ストレッチや散歩などで気血の流れを促進。
✅ 甘いもの・油もの・乳製品は控えめに
→ これらは「湿」を生みやすく、体に溜まりやすい要因になります。
【このタイプのあなたへひとこと】
「なんとなく重い」
「気力が出ない」
「冷えて動けない」
それは、体の中で“温める力”が弱まり、“水分が停滞している”サインかもしれません。
このタイプには、ゆっくり温め、やさしく巡らせるケアが大切です。
体も心も、じんわりと温まることで、自然と軽やかさを取り戻せるはず。
まずは、冷たい飲み物をやめて、白湯を1杯から。
それだけでも、体は「ちゃんとあたためてくれてる」と応えてくれるようになりますよ🍵
次回は、
「第5回|肝気鬱結 × 血虚タイプ:ストレスと栄養不足が交錯する女性に多い体質」 をお届けします。
どうぞお楽しみに😊
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