
こんにちは。扇町漢方クリニック院長の大沢です。
今回は『数日間お通じがない』『出てもスッキリしない』など
頑固な便秘にお悩みの方へのお話です。
漢方ならではの“体質から整える”アプローチを一緒に見ていきましょう。
こんなお悩み、ありませんか?
・数日間お通じがない
・出てもスッキリしない、残便感がある
・コロコロ便やウサギのような便が出る
・お腹が張って苦しい、ガスがたまりやすい
・便秘と下痢を繰り返す
便秘はとても身近な悩みですが、「恥ずかしくて相談しづらい」「便秘薬に頼りきりになってしまっている」という方も多いのではないでしょうか?
漢方では、便秘を単なる腸の問題とは捉えません。
体全体のバランスの乱れが腸の働きにも影響していると考えます。
だからこそ、根本から整えることができるのが漢方の魅力なのです。
中医学で見る便秘の原因とは?
漢方では、便秘の原因は一つではありません。
体質や生活習慣、感情の状態など、さまざまな要因が重なって起こります。
主に、以下のようなタイプに分けて考えます:
🔹 体が乾いているタイプ(陰虚・燥熱)
・便が硬くて出にくい、のどが渇く、ほてりがある
→ 潤い不足が原因。体に“潤い”を補う処方で、便を出しやすくします(例:麻子仁丸など)
🔹 気の巡りが悪いタイプ(気滞)
・お腹が張ってガスがたまりやすい、ストレスで悪化
→ 気の流れを整え、スムーズに排便できるようにします(例:柴胡疏肝散など)
🔹 エネルギー不足タイプ(気虚)
・力んでも出ない、出ても残便感がある、疲れやすい
→ 腸の“動かす力”が弱っているため、エネルギーを補う漢方を使います(例:補中益気湯など)
🔹 冷えと湿気タイプ(寒湿)
・お腹が冷えて痛む、軟便や下痢と便秘を繰り返す
→ 冷えと湿気を取り除き、腸の環境を整える処方を用います(例:苓桂朮甘湯など)

これらは一例で、実際は複数のタイプが重なることもよくあります。
あなたの状態にぴったり合った方法を一緒に考えていきましょうね。
🌿タイプ分けについてのご案内🌿
ここでご紹介したタイプは、あくまで目安となるもので、実際には「ぴったりこのタイプ!」という方もいれば、いくつかのタイプが重なっている方も少なくありません。
その場合は、状態に合わせて、
- 複数のタイプに対応する処方を組み合わせたり
- あえて一つのタイプに照準を絞って処方を決めたり
と、柔軟に調整していきます。

「自分はどれに当てはまるんだろう?」と迷った方もどうぞご安心ください。
診察ではじっくりお話を伺いながら、あなたに合った方法をご提案します。
日常でできる“お腹を整える”生活習慣
POINT
✅ 冷たいものを控える
氷入りの飲み物や冷たいスイーツは腸の動きを弱めます。
✅ 起きてすぐ白湯を一杯
寝ている間に失った水分を補い、腸をやさしく刺激します。
✅ 毎日、少しでも歩く・動く
腸も筋肉。体を動かすことで自然に腸の動きも活発になります。
✅ 寝不足や過労に気をつける
寝不足や過労が続くと肝・腎を弱めて陰不足になります。
できるだけ十分な休養をとるように心がけましょう。
✅ リラックスの時間をつくる
腸は自律神経にとても敏感。
心の緊張がほぐれると、お通じも整いやすくなります。
便秘は“からだの声”
便秘は、単に便が出ないということ以上に、今の体や生活の状態を映し出すサインでもあります。
「もう何年も便秘と付き合っている」「市販薬ではもう効かなくなってきた…」
そんな方こそ、体質から整えていく漢方のやり方を試してみてほしいのです。

当院では、あなたの体質や生活習慣をしっかり伺いながら、
無理なく自然に“出したくなるリズム”を取り戻すサポートをしています。
いつでもお気軽にご相談くださいね。
毎日の調子がぐっと楽になると、心も軽くなります。
ぜひ一緒に、ゆるやかに“お腹から”整えていきましょう。
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