【こんなお悩みはありませんか?】
・手足や腰が冷える
・朝がつらく、疲れが取れにくい
・頻尿や夜間のトイレが増えてきた
・髪が細くなった、白髪が増えてきた
・耳が聞こえにくくなった、耳鳴りが気になる
・更年期のような症状や、生殖に関する悩み
こうした不調、漢方では「腎(じん)」の働きの弱り(腎虚)が関係していると考えます。
【“腎”とはどんな働きをしているの?】
中医学における「腎」は、西洋医学の“腎臓”とは異なり、
体の根本的なエネルギー(精)を蓄える“生命の貯蔵庫”としての役割があります。
主な働き:
- 成長・発育・老化をコントロールする
- ホルモンバランスや生殖機能の調整
- 骨・耳・髪・脳の働きと深く関係
- 水分代謝や排尿の調整にも関与
特に「冷え・体力・更年期・年齢に伴う変化」と深い関係があります。
【“腎”が弱ると、こんな不調に】
- 手足・腰・下半身の冷え
- 頻尿・夜間尿・残尿感
- 足腰のだるさ・筋力低下
- 抜け毛・白髪・耳鳴り・難聴
- 生理不順・更年期症状・性機能の低下
- 物忘れ・集中力の低下・気力の衰え
これらは「腎陽虚」「腎陰虚」「腎精不足」「腎気虚」などと捉えられます。
【腎タイプ別・漢方的アプローチ】
🔹 体を温める力が弱いタイプ(腎陽虚)
・寒がり、腰の冷え、夜間頻尿、朝がつらい
→ 体を内側から温め、腎の陽気を補う(例:八味地黄丸、真武湯、牛車腎気丸)
🔹 潤いと精が足りないタイプ(腎陰虚・腎精不足)
・のぼせ、寝汗、耳鳴り、性機能の低下、不眠
→ 体に潤いと落ち着きを取り戻し、精を補う(例:六味地黄丸、杞菊地黄丸、知柏地黄丸)
🔹 精と気が不足しているタイプ(腎精不足・腎気虚)
・気力が湧かない、集中力が落ちる、疲れやすい、年齢的な衰えを感じる
→ 腎の“精”と“気”を補い、体と心の“底力”を養う(例:参馬補腎丸、十全大補湯)
🌿【タイプ分けについてのご案内】🌿
ここでご紹介したタイプは、あくまで目安となるもので、実際には「ぴったりこのタイプ!」という方もいれば、
いくつかのタイプが重なっている方も少なくありません。
その場合は、状態に合わせて、
- 複数のタイプに対応する処方を組み合わせたり
- あえて一つのタイプに照準を絞って処方を決めたり
と、柔軟に調整していきます。
💬「自分はどれに当てはまるんだろう?」と迷った場合も、どうぞご安心ください。
診察では丁寧にお話を伺いながら、あなたにぴったりの方法をご提案します。
【“腎”を整える養生のヒント】
✅ 体を温める食材を取り入れる(腎陽虚)
→ 黒豆、くるみ、山芋、羊肉、エビ、生姜など
✅ 夜更かしは避けて、しっかり睡眠をとる
→ 腎は夜に「精」を回復します。深い睡眠が大切です。
✅ 腰まわり・足元を冷やさない
→ 腎のある腰部を中心に、体を守ることが基本の養生。
✅ 深呼吸や静かな時間で心も休める(腎陰虚)
→ 無理をしすぎず、心身の“静”を意識して養います。
【“腎”が整えば年齢に左右されない強さと安定感が生まれる】
腎は「生命の源」。
年齢を重ねても若々しく、自分らしく生きるためには、腎をいたわることがとても大切です。
「なんとなく衰えを感じる」「冷えや疲れが続いている」
そんなときは、ぜひ“腎の声”に耳を傾けてみてください。
これにて五臓別養生シリーズ(全5回)完結となります🌿
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